梁の上から


ランド・オブ・ザ・ロスト

良い映画はタイトルから違う・・・かどうかはわからないが、ともかく「ある種のオーラ」としか言いようの無い存在感を放つタイトルは存在する。今日の「ランド・オブ・ザ・ロスト」もそれに当たるだろう。何の変哲も無いような気もするタイトルだが、パッケージに惹かれたのかそれともタイトルから何かを嗅ぎ取ったのかふと手に取ってしまった。

まずパッケージ正面を見る。その時点で小生の心はどうしようもなく捉えられてしまった。中央に大きく君臨するT-レックス。それに踏みつぶされ大爆発するナチスの潜水艦。
背景には砂漠に埋もれるホワイトハウス、金門橋(?)、コロッセロ、その他諸々。手前では余りぱっとしない人達が逃げ惑ったり銃を構えたりしている。
そして煽り文句は「そこは、時に忘れられた世界」。

逸る気持ちを抑えパッケージの裏を見る。そこには「“魔の三角地帯”バミューダ・トライアングル」「地図にも載っていない無人島」「数十年前の戦時中に消息を絶った兵士や戦艦」といった文字が躍っていた。
どのような大スペクタクルが繰り広げられるのだろう?様々な想像をしつつよく見ていくと、「アルバトロス株式会社」の文字が。半ば納得しつつそれでも・・・と普通の期待といつもの期待と半々を胸に会計へと向かった。

家に帰り早速DVDを機器へセット、例によって長い新作予告も楽しみつつ本編を待つ。遂に本編が始まること数分、違和感に気が付く。その違和感の正体は見終わってから判明した。勿論使い回しや頑張っているが明らかにそれとわかるCG、露骨な予算削減策と少々ではない突っ込み所等はあったが、良い意味で普通の映画だったのだ。
いや、人間関係も幾らか普通に描かれていたし、物語に起伏や盛り上がる所もあったし、普通に普通の映画として普通に面白かったと言っていい。「普通に面白かった」というのは曖昧模糊な擁護の常套手段ではあるがこの場合期待されていたものが期待されていたものだったので普通に褒め言葉として取って欲しい。

「バミューダ・トライアングルは実はナチスの極秘実験の賜物だった」とかそういう事は無かったし、途中から出てくるU-ボート乗員もナチス兵というより普通のドイツ国防軍の潜水艦乗りだったし、恐竜や怪奇にあまりスポットが当たっていなかったりはあったが、「この先どうなるんだろう」とか「どうするんだろう」とかそういう真っ当な面白さはあった。

もう一度パッケージ裏をよく見たら、「世界的SF冒険小説『時に忘れられた世界』(エドガー・ライス・バローズ著)を映像化!!」とあった。もしかして、そういう事だったのか。

2015/2/20
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