梁の上から


2015年2月

本当に日記。

2015/2/1
先日降った雪の名残もまだ消えず、かといって暖房をつけるには暖かすぎた。このまま暖房を付けようか、それとも少しの我慢を続けようか、それを悩んで一日を過ごすのも悪くないように思われたし、実際このまま一日が終わるものと思われた。
だが転機はふと訪れた。その時はパソコンをやっていたのだが、インターネットブラウザを起動するつもりで間違えてメモ帳を起動してしまったのだ。普段なら即座に改めてインターネットブラウザを起動するところだが、たまには文章を書くのも悪くない、そう思えたのでメモ帳と向き合う事にした。
経過する事数十分、気が付けば執筆作業はメモ帳とのにらめっこへと変わっていた。キーボードを叩けど、頭を捻れど、うんともすんとも言わないメモ帳は、開いた時と同じ真っ新な顔で小生を眺めていた。そして小生も、ぼやけた頭のままメモ帳を睨んでいた。
そして遂にぞ一日が終わろうとした時、メモ帳が根負けしたのか、数時間の格闘が実を結んだのか、どちらかはわからないがメモ帳の表情は変わった。これがにこりと笑った顔なのか、それとも果たして呆れ顔なのか、或いは小生が表情が変わったとただ勘違いしただけなのか、それはわからない。

2015/2/12
気が付けば二月ももう中盤になっていて、時の流れの余りの早さに驚愕すると共にせめてもの反抗をしてみたくなった小生は、通行人からひったくったという設定で新聞の日付を見、「2015年2月12日だと・・・?ついに成功したか!」などと叫ぶ遊びをやってみる事にした。案の定何よりもまず空しさが襲ってきたので、諦めて最寄りの図書館まで散歩に行く事にした。
図書館に着いた小生は、むしゃくしゃしていた事もありせっかくだから冷戦末期ロシアの政治劇に関する本と、縁も縁も無い材料力学の基礎の本を手に取ってみた。さてどんな事が書いてあるのかと頁を捲っていくと、材料力学の方には前に借りた人が忘れたのであろう貸出目録が挟まったままになっており、それによると彼もまた同じ二冊を借りていったようだった。同じようにその二冊と、適当に目についた他二冊も借りてゆく事にした。
確かに、独りでは世界を変えられない。自分の行動がどう世界に影響を与えているのかわからなくなる事もあるだろう。だがそれでも前進し続けた人々の力によって変革は成し遂げられるのだ。今日の小生の行動によってゆくゆくは、材料工学に興味のある人はロシアの政治にも興味があるだとか、その逆だとか、とにかくそういう事にあの図書館ではなっていくのかもしれない。
さて家に帰り腰を据えて読んでみると、果たして材料工学の基礎は小生の手には負えず、余計むしゃくしゃする結果となってしまった。

2015/2/13
時には妄想に身を任せてみるというのも重要だという事で、今日もどうでもいいことをあれこれと考えていた。その中でも力を入れて考えていたのが、SF作品でよくある「環境汚染やら何やらで富裕層は上空の居住地に逃げ、貧困層や労働者は地上に取り残されている」という設定を逆にしてみようというものだった。
つまり「富裕層は地上に、貧困層や労働者は地上にそれぞれ住み、かつ階層移動が困難な世界」はいかにして成立しうるか、という事を考えていた。かの世界はどのような歴史を辿ってきたのか、何故現在そうなっているのか、これから先はどうなるのか、そういった事を考えていたつもりだったが、いつの間にやら別の事を考えていてまた戻ってを繰り返していた。
一日中考えていたが、どうにもこれという結論は出なかったし、勿論得るものも無かった。「ただ、たまにはこういう一日があってもいい。幾らかの無駄があってこその人生」、そう言えれば良かったのだが。

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