梁の上から


冷やし中華食べました

「夏」と言えば「冷やし中華」、「冷やし中華」と言えば「夏」と言うほどに、「夏」と「冷やし中華」の関わりは深い。冷やし中華の無い夏なんて夏以外での冷やし中華みたいなもので、実際「冷やし中華始めました」が俳句の季語になっている事からもその事が窺える。
いや勿論それは口から出まかせではあるが、とにかく冷やし中華が夏の風物詩である、というのは事実だ。

だが残念な事に、小生にとっては、或いは多くの人にとっても「実際冷やし中華を食べた夏」と言うのは余り多くないのではないだろうか。そう感じた小生は調査を開始した。
するとやはりと言うべきか、「食べたくはなるが実際にはあまり食べていない」「今年も食べなかった」「今年こそはを何年繰り返してきたか」「ちくわ大明神」「そういえば素麺もそんなに食ってないな」といった小生の独り言が多く寄せられる結果となった。

では本当に「冷やし中華」は「夏」の風物詩なのだろうか。本当は「冷やし中華」そのものではなく、「何となく冷やし中華が食べたいという気持ち」が夏の風物詩なのではないだろうか。もしかしたらそうなのかもしれない。
実際小生もここ何年もの間「何となく冷やし中華が食べたいという気持ち」は持ち続けていたが、実際に食べてはいなかった。しかし塵も積もれば何とやら、積年の「何となく冷やし中華が食べたいという気持ち」は積もりに積もって膨れ上がり、今では「冷やし中華を食べずに夏を終わらせるわけにはいかない」という決心にまでなっていた。
そこで急ぎスーパーマーケットへ走り、冷やし中華を購入した。そして家へ帰り早速調理した。今や、目の前には幾度の夏の間何となく食べたかったが何故か機会に恵まれなかった、あの冷やし中華があった。この瞬間を待ちわびていた。ここ数年来のささやかな願いが遂に叶う、感動の・・・
といったような感覚もしかしこれと言って覚えず、淡々と完食すると、何だこんなものかと言う幾らか覚めた感情だけが残った。

ともかく、何にせよこれで小生も心置きなく夏を終えられる。一方人生の夏休みの方は未だ終わる気配すら見えない。

2015/9/16
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