梁の上から


邪魔ということ

やはり万事少しくらい邪魔でなくてはいけない、と痛感した。図書館で本を借りていたのだが、返すのを忘れてしまっていたのだ。

それは、二週間と少し前の事だった。何かやる事がある訳でもないのに家を出てしまった小生は、せっかくなので地区の図書館に行ってみた。これといって読みたい本も無かったのだが、その図書館では最近返却された本が台車に乗って置いてあるスペースがあり、思わぬ本との出会いがよくあるのでそこを見てみる事にした。
漠然と見ているうちに、何だこの本はと思うような本が見つかったので軽く読んでみると、これがなかなか面白そうだったのでとにかく借りてみる事にした。
そして帰宅後、すぐに読むという気分ではなかったので机の上に置いておこうとしたが、そこは既にパソコンやフィギュアやらで混沌としていたので仕方なく脇の邪魔にならないスペースに置いておいた。

さて話は今日に戻る。いつもの如くただ漠然とパソコンの前に座っていると、何かが気になる、そう、何かが気になるのだ。社会から排除されてしまった事か?否。時間を無駄に使っている事だろうか?否。そのような事は今更気にするまでもあるまい。では何だろうか?
答えは誇り、いや埃だった。見てはいないのだが視界に入ってしまう、初雪のようにうっすらと積もった埃、それが小生の無意識下に働きかけ、どうしても気になって仕方が無かったのだ。原因さえわかれば取るべき行動は自ずと決まる。小生は無意識の要請に答え掃除をする事にした。
布団をたたみ、小さいモップのようなアレで机上の埃を払い、掃除機をかけ、さあこれですっきり、と思ったところ、あるものが視界に入った。それこそ二週間と少し前に図書館で借りてきた本だった。

余りに邪魔にならない場所に置いてしまったが為に、遂に返却期限と少しを過ぎ掃除という偶然のきっかけに頼るまで忘れてしまっていたのだ。掃除という大仕事をこなしカウチポテトと決め込もうと考えていた小生も流石にこれには焦り、すぐさま着替えて図書館へ返却に向かった。
以上が事の顛末である。邪魔すなわち悪と思い込んでいた小生は、借りてきた本を邪魔にならない場所に置き、遂にぞ返却期限を忘れるというミスを犯してしまったのだ。たかが図書館の返却期限と侮るなかれ、これは社会にも言えるのではないだろうか。

傍若無人な振る舞いをする輩、鬱陶しい広告、悪徳資本家、労働環境悪化の片棒を担ぐ社畜、考えれば枚挙に暇がない。そういった連中が跳梁跋扈している現実を考えれば少しくらい邪魔であろうとしなければよい思いが出来ぬのではないだろうか。又、少し邪魔と思われるくらい自己主張をしなければ顧みられる事もなく、各種の不利益を被らねばならない。
しかしそうは言えども先に挙げたような連中が許されてなるものか、断固としてそういった存在と戦わねばならぬ、と拳を振り上げた所で、或いは穀潰しというものもそういう存在かもしれないと思い至った。小生は決して穀潰しではないが、何か心に引っ掛かるものがあり、振り上げた拳を下す先を見失ってしまった。

2014/11/20
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