梁の上から


よっ、大統領!

ずっと、漠然とではあるが「プレジデント」と「大統領」の違いについて考えていた。何故だかはわからないが、「プレジデント」と「大統領」では訴求力に違いがあるような気がしたのだ。
例えば「君もプレジデントにならないか」或いは「君も大統領にならないか」と持ちかけられた時、例えば「貴方のハートのプレジデント」或いは「貴方の心の大統領」と呼びかけられた時、どうも「大統領」という単語を使っている方が心を動かされないだろうか?
最近ようやくこの問題について考えがまとまってきたので、今回はそれをご報告したい。

長年の思索により、その違いは「親しみやすさ」から生じているのではないかという仮説が導き出された。人間は余りに距離がありすぎると興味を失うものであるから、「プレジデント」と「大統領」、この二つの単語がどう感じられるかというのは大きな問題だ。
両者から受ける感覚について少し考えてみよう。「プレジデント」は横文字である上に普段聞かれない単語であるので、どうも意識が高すぎて却って胡散臭い感じがしないだろうか。一方「大統領」は感じであるし普段よく聞くので、親しみを感じやすいはずだ。
例えば「ヘイ、プレジデント!」と「よっ、大統領!」とどちらがより馴染み易く心に響くかといえば、やはり後者であろう。声への出しやすさ、酔っ払いに掛けても違和感のない気さくさを持ちながら、それでいてどこか重厚な感じを併せ持っている。そのような重層性が、初めに挙げたような違いを生んでいるのではなかろうか。

また、当然音の問題もあるだろう。「プレジデント」は半濁音を含んでいるのに対し、「大統領」には半濁音は無い。半濁音の有無は非常に重要だ。強そうな怪獣やロボットの名前は大抵半濁音は含まないし、例えば「プリン」が「ブリン」だったとすればかなり受ける印象は違うだろう。
だがもし「プレジデント」が「ブレジデント」であったとしても、「大統領」には敵わないであろうというのが小生の所見である。しかし「ブレジネフ」であればかなりいい線を行っているので問題は前半の「ブレジ」ではなく後半の「デント」にあろう事までは予測が付くが、この方面でも専門家ではないのでこれ以上の言及は避けておく。

結論を述べると、「プレジデント」と「大統領」の最大の違いは「単語の持つ親しみやすさ」にあるのではないか、という事だ。また同時に両者の「音」の違いも検討すべき点であろう。
今回は大雑把な推論と検討すべき課題を述べるに止めたが、もし暫くたった後に覚えていてやる気があり、また暇と気力を持て余すことがあればいずれはっきりとした結論を申し上げたい所存である。

2014/10/30
雑記一覧へ
topに戻る
inserted by FC2 system