梁の上から


ゲリラ豪雨

ゲリラ戦の基本は神出鬼没だとか何だとかあるようだが、「ゲリラ豪雨」というものは戦術的にはその名の通りほぼ完璧なゲリラ戦士のように思える。

まず彼らの攻撃の予兆はなかなか掴みづらい。当然雲やら何やらといった兆候は無きにしも非ず、といった所だが、それでもやはりこちらがせ戦力を整えていない所や、万全の準備をしていない時、つまり「今日は来ないだろう」と傘を持たずに外出した時や、行軍中、傘を広げるか建物に逃げ込むかする前に猛烈な攻撃を仕掛けてくる。

当然これだけでも恐ろしいのだが、彼らの真の恐ろしさはその見事な引き際にもある。その突然の襲撃と同じように、彼らは去ってゆく。猛烈な攻撃に会い仕方なく折り畳み傘を広げるか、或いはコンビニ等で高い金を払って安っぽい傘を買い「さぁこれで反転攻勢だ」と意気込むと、程なくして彼らは去ってゆく、つまり、雨は止む。この見事な引き際に何度煮え湯を飲まされたかはわからない。きっとコンビニはゲリラ豪雨一派のシンパに違いない。

神出鬼没、猛烈な攻撃、引き時を間違えない戦術眼とかなり手強いゲリラ豪雨一派であるが、しかし彼らにも弱点はある。確かに恐ろしい相手ではあるが、此方の反撃を受ける前に撤退するという、その見事な引き際故に、彼らは我々を完全に打ち砕く事に未だ成功していないし、未来永劫それはなされないだろう。彼らの襲撃にあっても決して怯まず耐え忍べばいい。ゲリラはその性質故に正規軍相手には正面から勝利を得る事はできない。

そしてゲリラ戦のもう一つの肝である「住民を味方に付ける」という戦略的点においても付け入る隙がある。恐らく既にコンビニ勢力は彼らと内通している節があるようだが、その他の、都市部労働者やインテリ層は彼らを快く思っていない。住民との関係構築に失敗してしまい、敗北したゲリラ勢力の例もある。ゲリラ豪雨一派の企みもいずれは失敗に終わるだろう。

さらに都市部では排水機構の拡張や地下貯水槽の整備等、攻撃を受けても被害を限りなく少なくするための手が打たれている。ゲリラ豪雨一派は決して侮るべきではないが、いずれは勝利できるだろう。

2014/6/25
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