梁の上から


企画「テキスタンルーレット」文章:サイト運営に大切なこと

お伽噺とホラ話の違いはたった一つで、お伽噺は「むかしむかし・・・」の話で、「これは嘘や冗談じゃない・・・」となればホラ話だそうです。

さて「サイト運営に大切なこと」、やはりそれは「動機の内部化」ではないでしょうか。つまり、「何故自分は文章を書くのか、サイトをやるのか」と自問した際に、「読者の反応が欲しいから、他者との関係が欲しいから」ではなく、「自分が書きたいから、やりたいからやっているんだ」と自答できるように動機付けをする、ということであります。

我々はサイトを運営していく上でともすれば読者の反応を期待しそれを動機としがちですが、やはりそれは常に期待できるものではなく、スランプに陥った時などは却って気力を減退させる要素になりかねませんし、また、動機を外部にのみ持っている場合、文章を書いた結果として反応が欲しいのか、反応が欲しいゆえに文章を書くのか、といった事を見失いかねません。SNSの盛んな現代に敢えてテキストサイトなる手段をもって文章を発信している我々にとってこれは恐ろしい事であります。

何故恐ろしい事なのか。まずテキストサイトは、少なくとも現代においては最もインスタントな関係には向かない媒体であります。まず即時的な更新はできませんし、発信する文章もその発信の手間からくる時間差のためある程度自省的な物になり、当然内省にも役立ちます。対してSNSでは即自的な更新が可能でありそして求められ、従って発信される文章も所謂「呟き」のようなその場的な、短絡的ともいえるものになります。

ここで単に反応が欲しいゆえにサイトをやっている場合、そこに投稿される文章もSNSのようにただ単に何に捻りもなしに「何々を食べた」だの「誰々とどこそこで何々した」といった文章となり、自省にも役立ちませんし、何かしらの捻りが欲しい読者が離れてゆき、運営者も「反応もないしこれならSNSでいいや」となりサイト運営から離れてしまう例も少なくないはずです。

しかし短絡的な文章であっても、動機が自分の内部にあれば、単に何をしただけでなくより詳しい感想や詳細を書いてみよう、となるかも知れませんし、何の捻りもない文章であっても動機が内部にあれば「反応はないが俺がやりたいようにやってるから一向に構わない」というように継続が容易で、そのまま続けていけば或いはそれがそのサイトの持ち味になる場合もあります。

勿論web拍手や掲示板等で反応は得られますし、良い文章を書くためには読者の目を気にする必要はあります。しかしそうは言ってもweb拍手や掲示板の中々手間がかかりますし、わざわざ、と思われる場合もあります。もしかしたら読者の目を気にする余りに自由な表現やその人の独自の感性、文章が失われるかも知れません。よって、「サイト運営に大切なこと」、それは「動機の内部化」なのではないかと思う次第であります。

長々と書きましたが、以上の事が嘘や冗談じゃないことをここに示しておきます。ご清覧ありがとうございました。

2014/5/23
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以上が企画「テキスタンルーレット」の記事となります。この企画は簡単、「参加者が各々考えたテーマをシャッフルして誰かの考えたテーマで文章を書こう」という話です。詳細はこちら。小生が割り振られたテーマは誰が考えたのやら。

P.S. 考えたのは一番星の下で約束した日のt4v氏だそうです。氏のサイトにはこの文章なんかよりよほど重要な点があるので見に行って必要な事は氏のサイトから学んでください。

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