梁の上から


四月馬鹿を楽しもう

クリスマスや大晦日といったイベントを終えて一安心している諸兄も居ることだろう。
残念ながら「もう暫くイベントは無いし……」と安心している隙はない。そう、四月馬鹿、つまりエイプリルフールが待っている。
ご存知の通り四月馬鹿は各々が趣向を凝らした嘘を付き、楽しむイベントである。元は海外の物であったが最近は日本でも定着しつつあり、様々な所で色々な企画が見られる。

とりあえず四月馬鹿について詳しく説明しよう。
概要は上記の通りだが、さらに踏み込むならば「非常に知的で趣のある遊び」である。「いとをかし」とか何とかそういう奴だ。
そう、四月馬鹿は馬鹿の名に反して知的なものだ。まず何でもいいから嘘を付けばいいってもんじゃない。平時もそうだが四月馬鹿では特に良い嘘と悪い嘘がある。
悪い嘘とは勿論人を不快にさせたり、社会に無用の混乱を引き起こしたりする嘘の事である。賢い諸兄ならご存知だろうが、たまたま皆がチャンネルを回したら宇宙人がアメリカを攻撃してくるシーンだったんで大パニックが起きたとか起きてないとか言われているかの「ラジオドラマ宇宙戦争事件」のなんかは"四月馬鹿として見れば"最悪だ。
もっともアレは四月馬鹿ではないし劇中でもこれはフィクションですって言ってたし受け取る方の問題もあったらしいが。

では良い嘘とは何か?これはなかなか難しい。
一目見て嘘とわかる、これは非常に重要だが必須ではない。散々真偽を判断しかね悩んだ末嘘だったとわかるというのもまた非常に面白いものだからだ。
しかしいずれにせよ、本当だと信じられてしまうものが好ましくないのは間違いない。
そしてある程度のスケールの大きさも必要であろう。本当はパンだったのに「今朝はラーメンだったよ」みたいなしょうもない嘘をついても仕方ない。
ある程度以上、話を膨らませられるスケールが必要だ。勿論さっき上げたような嘘でも話を膨らませられるならば全く問題はない。
そして何より必要なのが、至って真面目に、かつ楽しんでやる事だ。この場合の真面目というのは真面目に不真面目といったタイプの真面目だ。「とりあえずやっておくか」みたいなのでも充分だが真面目に楽しんでやればやる方も見るほうもより楽しくなれるはずだ。
つまり、「少なくとも本気に受け取られず、膨らませられる程度の話」を、「真面目にふざけつつ楽しんで」するのが四月馬鹿において良い嘘である、ということだろうか。
そして勿論、受け取る方もより楽しむには「ネタをネタとして楽しめる」ある程度寛大な心と、「嘘を嘘と見抜く」知性が必要とされる。

さて趣がある、とも言ったがどういう所に趣があるのか?。
結論から言えば「儚さ」である。四月馬鹿は基本的には午前中、長くてもその日中だけだ。準備期間に対しては非常に短い。
数年地中で暮らし数週間しか地上で生きていない蝉や咲いてもすぐ散ってしまう桜、あれだけ騒がしかった祭の後等のような儚さだ。諸行無常。
このように日本的精神を多いに見出だす事が出来、そしてそれは「趣」という言葉で表せるのではないか。

「わかった。でもまだ四ヶ月はあるし後三ヶ月半くらい遊んでていいよね」とか考えてしまうが、まぁそれでもいいけど今から何しようか考えてみるってのもいいものだ。「ここをこうしておけば良かった」や「こっちの方が良かったかな」といった悔いを多いに減らせる。
それと実際にやるやらないは置いておくとしても、正月明け手持ち無沙汰でぼーっとしている時、仕事始めでクソ忙しい時、新年だし何か始めてみるかと思った時、四月馬鹿のようなイベントについて考えてみるのも息抜き等に役に立つはずだ。

読み返してみれば個人サイトやブログを持っている人を念頭において記事を書いてしまった感があるが、どうだろう、そういったものを持ってない人はこれを機に作ってみてはいかがだろうか。
洗練されているとはお世辞にも言い難いが小生でもこの程度のものなら作れたし、案外簡単にできるものだ。

「ここまで書いてんだから当然期待していいんだよな?」とか思った御方も居るかも居ないかも知れないが、まぁビールでも飲んでリラックスしながら待っていて欲しい。
ここまで書いてしまった以上やらないわけにもいかないし、今から準備を始めようと思っているのできっとそれなりのものが提供できるはずだ。
・・・何と残念なことに今カレンダーを確認したら今回のエイプリルフールは平日ではないか。残念ながら多忙な小生は今回は何も出来そうに無い。いやー残念だったなーやる気もあったしネタも考えようと思ってたのに残念だなー平日なんて残念だなー。




ごめんなさい。・・・ほら一応今回の主題は「四月馬鹿を楽しもう」だし・・・。

2013/12/31
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