梁の上から


枯れ尾花の恐怖

ご存知の事とは思うが、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言う言葉がある。
「幽霊だと思っていたが実は枯れた花だった」とかそういう意味だったと思う。多分。
「後姿で可愛いと思った女子高生が顔見たらブスだった」とかそんな意味でないのは間違いない。
まぁとにかく、例え枯れ尾花でも正体を見るまでは幽霊なのであり、そこそこの恐怖の対象になり得る。
今日は、筆者のそんな体験をいくつか紹介したいと思う。

あれはいつだったか忘れたが夜もだいぶ更け、歩いているのは自分一人みたいな時間で雨の日だった。
筆者は何がしかの用事から家へ帰る途中であり、気分良く傘を振り回しながら歩いていた。
家まで後数分の所で、正面から一人の男が歩いてきた。初めは、ただの男かと思ったが、近づくにつれただの男には見えなくなっていった。

その男は、右半身が無かったのだ。

それがわかった瞬間、当時の筆者の陽気な気分など跡形も無く消し飛んでしまった。何だかわからないがとにかくヤバイ・・・本能のその声を聞きながら、どうにか正気を保つので精一杯だった。
幸い右手には傘を握っている、だが傘で何が出来るのか?奴はどう出てくるのか?そう思考を巡らすも答えなど出ない中、一歩一歩と両者の距離は縮まる。
何をするにもいよいよ・・・という距離まで近づいた瞬間、とんでもないことに気が付く・・・。

ただ右半身が上手いこと陰になってて見えて無かっただけだった。当たり前だ。安堵、落胆、様々な感情が筆者の中に渦巻き、両者は何事も無かったかのようにすれ違うのだった・・・。


またある日の深夜のこと。筆者は豪雨と雷鳴のに誘われ、散歩に出た。
着の身着のまま傘だけ持って飛び出したので勿論所持金も無く、近所の公園に向かった。
何もすることが無いので取り合えず、とその辺にあった屋根の下に駆け込む。これが間違いだった。
明らかに背後から何者かの気配がする。次の瞬間、稲妻が地面に影を打つ。筆者の目はその中に、明らかに周囲の木のものではない、異質な影をかすかに捕らえた。
思わず筆者の傘を握る手に力が篭る。
意を決して振り向く。
そして見えたものは・・・ただの看板だった。色々と馬鹿馬鹿しくなった筆者は、家に帰り風呂に入って寝ることにしたのだった。

書いてて馬鹿馬鹿しくなったがとにかく最後まで書ききった。
両方とも中高生の頃の記憶なんだけど、正直アレな奴だったんだなぁ・・・。
まぁとにかく、こういった経験は誰にでもあるものだと信じて今回の記事を〆る。

2013/11/16
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